2016年01月11日
次のレベルにステップアップするための儀式
今日は成人の日ですね。
今年成人式を迎えられた皆さん、
おめでとうございます!
今日は、フェイスブックページに、
人が大人になるためのイニシエーションについて
記事を書いたのですが、
このブログでは、
もう少し詳しく書いてみたいと思います。
「イニシエーション」は文化人類学で使われる言葉で、
「通過儀礼」とも訳されますが、
文化人類学者のファン・ヘネップは、
「イニシエーション」の意味を次のように定義しています。
「ある個人が成長して、
ひとつの段階から次の段階へ移行するとき、
それを可能にするための儀式」
人生の大きな節目において、
その節目を超えて次の成長段階に移行することは
簡単なことではありません。
それだけに、
そのステップアップを心理的にサポートするための
仕組みが必要です。
その仕組みの一つがイニシエーションなのです。
イニシエーションの中でも、
特に「子どもが大人になるための儀式」は、
世界中の多くの文化圏で見られ、
とても重要なものとして位置づけられています。
たとえば、昔の日本において、
武家階級の男子は、
元服の儀式をもって大人の男になりました。
男子は、元服を境に、
髪型も服装も、そして名前も変え、
それによって一人前の男として認められたのです。
それまで慣れ親しんできた名前を失うことで、
子どもとしての自分と決別し、
大人としての自分に生まれ変わったのです。
また、女子にも裳着(もぎ)という儀式があり、
女子はそれをもって成人しました。
これらは典型的なイニシエーションですね。
農村の場合も、
男子は米俵1俵を持ちあげることができたら
一人前の男として認められるとか、
女子は1日1反の田植えができたら
大人として認められるなど、
各地域それぞれに、
大人になるための関門や試練が
イニシエーションとして用意されていました。
今はアトラクションになっているバンジージャンプも、
その起源は、バヌアツ共和国における成人の儀式です。
バヌアツ共和国では、成人の対象となる者は、
背の高い木にやぐらをつくり、
足に蔦(つた)をくくりつけて、
そのやぐらから飛び降り、自らの度胸を示します。
そして、その儀式をクリアすることによって、
大人として認められ、
本人も大人としての自覚を持つようになるのです。
他に成人の儀式として古くから行われているものには、
刺青(いれずみ)、割礼、抜歯などもあります。
これら成人の儀式において共通して見られるのは、
「死と再生のプロセス」です。
対象者にとって、与えられる試練は、
心理的な恐怖や身体的な痛み、
あるいは慣れ親しんできたものを失う喪失感などを
伴うものですが、
それを乗り越えることによって、
子どもとしての自分が死に、
大人として新たに生まれ変わることができるのです。
つまり、成人の儀式のプロセスにおいて、
恐怖や痛みや喪失感を乗り越えることによって、
親の庇護のもとにあった自分が死に、
大人としての責任を自覚した自分に生まれ変わり、
社会からも一人前として認められ祝福されるのです。
また、文化人類学者のジェネップによると、
イニシエーションは3つの段階から成り立っています。
第1の段階は、
それまで慣れ親しんできたものから分離される段階です。
例えば、成人する若者たちは、
親のもとから引き離され、離れた場所に連れていかれます。
第2の段階は、儀式を行う段階です。
若者たちは、生活空間から離れた場所で、
大人になるための儀式を行います。
第3の段階は、日常生活に再び統合される段階です。
イニシエーションを経た若者は、
もはや親に庇護される子どもではなく、
社会を支える一員としての自覚をもって、
地域社会に戻ってきます。
そして、人々から再び迎え入れられるのです。
この3つのステップを通して、
若者たちは「親離れ」を成し遂げ、
心理的に自立するわけです。
そして同時に、若者の親たちも、
このイニシエーションによって「子離れ」を成し遂げ、
子どもを一人の独立した大人として捉え直し、
子どもへの干渉をしなくなります。
そういう意味で、「成人の儀式」は、
成人する子どもにとっても、その親にとっても、
生き方の「転換点」として非常に重要な意味を持って
いたのです。
しかし、現代においては、
本来のイニシエーションとしての「成人の儀式」は
行われなくなりましたよね。
そのため、子どもと大人の境界が曖昧になってしまい、
若者たちは、自分がどっちに属しているのか特定できず、
その行動にも混乱が見られがちです。
また、親世代の方も、
成人した子どもに対して過干渉になるなど、
子離れできていないケースが多々見られます。
イニシエーションが欠如してしまっている現代において、
僕たちは、仕事や人間関係の中で直面する問題と向き合い、
それらを乗り越えることを通して、
自らの「成人の儀式」をやり遂げる必要があるのだと思います。
僕はコーチとして、コーチングセッションの中で、
クライアントさんが心理的に自立していくのをサポートする
ケースをたくさん経験してきました。
つまり、
クライアントさんのイニシエーションをサポートするケースを
たくさん経験してきたわけですが、
その都度、
イニシエーションの意義と重要性を、強く実感してきました。
そんな経験にもとづいて、
今回はイニシエーションについてのお話をしました。
読んでいただき、ありがとうございました!
その起源は、バヌアツ共和国における成人の儀式です。
バヌアツ共和国では、成人の対象となる者は、
背の高い木にやぐらをつくり、
足に蔦(つた)をくくりつけて、
そのやぐらから飛び降り、自らの度胸を示します。
そして、その儀式をクリアすることによって、
大人として認められ、
本人も大人としての自覚を持つようになるのです。
他に成人の儀式として古くから行われているものには、
刺青(いれずみ)、割礼、抜歯などもあります。
これら成人の儀式において共通して見られるのは、
「死と再生のプロセス」です。
対象者にとって、与えられる試練は、
心理的な恐怖や身体的な痛み、
あるいは慣れ親しんできたものを失う喪失感などを
伴うものですが、
それを乗り越えることによって、
子どもとしての自分が死に、
大人として新たに生まれ変わることができるのです。
つまり、成人の儀式のプロセスにおいて、
恐怖や痛みや喪失感を乗り越えることによって、
親の庇護のもとにあった自分が死に、
大人としての責任を自覚した自分に生まれ変わり、
社会からも一人前として認められ祝福されるのです。
また、文化人類学者のジェネップによると、
イニシエーションは3つの段階から成り立っています。
第1の段階は、
それまで慣れ親しんできたものから分離される段階です。
例えば、成人する若者たちは、
親のもとから引き離され、離れた場所に連れていかれます。
第2の段階は、儀式を行う段階です。
若者たちは、生活空間から離れた場所で、
大人になるための儀式を行います。
第3の段階は、日常生活に再び統合される段階です。
イニシエーションを経た若者は、
もはや親に庇護される子どもではなく、
社会を支える一員としての自覚をもって、
地域社会に戻ってきます。
そして、人々から再び迎え入れられるのです。
この3つのステップを通して、
若者たちは「親離れ」を成し遂げ、
心理的に自立するわけです。
そして同時に、若者の親たちも、
このイニシエーションによって「子離れ」を成し遂げ、
子どもを一人の独立した大人として捉え直し、
子どもへの干渉をしなくなります。
そういう意味で、「成人の儀式」は、
成人する子どもにとっても、その親にとっても、
生き方の「転換点」として非常に重要な意味を持って
いたのです。
しかし、現代においては、
本来のイニシエーションとしての「成人の儀式」は
行われなくなりましたよね。
そのため、子どもと大人の境界が曖昧になってしまい、
若者たちは、自分がどっちに属しているのか特定できず、
その行動にも混乱が見られがちです。
また、親世代の方も、
成人した子どもに対して過干渉になるなど、
子離れできていないケースが多々見られます。
イニシエーションが欠如してしまっている現代において、
僕たちは、仕事や人間関係の中で直面する問題と向き合い、
それらを乗り越えることを通して、
自らの「成人の儀式」をやり遂げる必要があるのだと思います。
僕はコーチとして、コーチングセッションの中で、
クライアントさんが心理的に自立していくのをサポートする
ケースをたくさん経験してきました。
つまり、
クライアントさんのイニシエーションをサポートするケースを
たくさん経験してきたわけですが、
その都度、
イニシエーションの意義と重要性を、強く実感してきました。
そんな経験にもとづいて、
今回はイニシエーションについてのお話をしました。
読んでいただき、ありがとうございました!
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