2016年01月

2016年01月19日

自由・独立を選ぶか? 権威に従うことを選ぶか?


多くの人は、
「自由に生きたい」という気持ちを持っていますよね。

しかし同時に、多くの人は、
(自覚していない場合が多いのですが、)
「自由から逃れたい」という気持ちも持っています。



自由に生きるということは、

権威に従ったり、
与えられた考え方や慣習に従ったりするのをやめて、

一から自分で考え、
悩み、葛藤しながら、
自分で道を切り開いていくということです。

そして、そのとき人は、
耐えがたいほどの孤独感と不安に直面します。



ですので、僕たちの多くは、
自由な生き方にあこがれるとともに、

自由な生き方に伴う責任や孤独、不安から逃れたい、
という気持ちも持っています。

つまり、僕たちは、
自由から逃れたいという気持ちも持っているわけです。



この心理についてわかりやすく説いている本が、
エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』です。

世界的に読まれている名著で、
日本でも昭和26年の初版以来、
たくさんの人に読まれ続けてロングセラーになっています。
(僕が持っている版で、117刷り版です!)



フロムは言います、

「人は制約を取り払って自由になろうとしたとき、
目の前の世界と対峙することになり、
耐えがたい孤独感に襲われる」



そしてここで2つの道がある、とフロムは言います。
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2016年01月11日

次のレベルにステップアップするための儀式


今日は成人の日ですね。

今年成人式を迎えられた皆さん、
おめでとうございます!



今日は、フェイスブックページに、
人が大人になるためのイニシエーションについて
記事を書いたのですが、


このブログでは、
もう少し詳しく書いてみたいと思います。



「イニシエーション」は文化人類学で使われる言葉で、
「通過儀礼」とも訳されますが、

文化人類学者のファン・ヘネップは、
「イニシエーション」の意味を次のように定義しています。

「ある個人が成長して、
ひとつの段階から次の段階へ移行するとき、
それを可能にするための儀式」



人生の大きな節目において、
その節目を超えて次の成長段階に移行することは
簡単なことではありません。

それだけに、
そのステップアップを心理的にサポートするための
仕組みが必要です。

その仕組みの一つがイニシエーションなのです。



イニシエーションの中でも、
特に「子どもが大人になるための儀式」は、
世界中の多くの文化圏で見られ、
とても重要なものとして位置づけられています。


たとえば、昔の日本において、
武家階級の男子は、
元服の儀式をもって大人の男になりました。

男子は、元服を境に、
髪型も服装も、そして名前も変え、
それによって一人前の男として認められたのです。

それまで慣れ親しんできた名前を失うことで、
子どもとしての自分と決別し、
大人としての自分に生まれ変わったのです。


また、女子にも裳着(もぎ)という儀式があり、
女子はそれをもって成人しました。

これらは典型的なイニシエーションですね。


農村の場合も、
男子は米俵1俵を持ちあげることができたら
一人前の男として認められるとか、

女子は1日1反の田植えができたら
大人として認められるなど、

各地域それぞれに、
大人になるための関門や試練が
イニシエーションとして用意されていました。
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