2015年10月
2015年10月15日
「察してほしい」という気持ちが人間関係に与える影響
こんにちは、野口嘉則です。
今回は、
・「母子一体感」と自立
・「課題の分離」
・「察する」ことの影響とリスク
などについてお話しします。
では、始めましょう(^^
僕たちは、家族だとか身近な人に対して、
さまざまな期待を持ってしまいますよね。
「このくらいのことはわかってくれるはずだ」とか、
「私の意見に反対しないはずだ」とか、
「以前お願いしたことを覚えていてくれるはずだ」とか、
いろいろな期待を持つわけです。
しかし、実際のところ、
相手が期待に応えてくれないことって、
日常茶飯事のごとく、よくありますよね(^^;
そんなとき、
不機嫌になって黙り込んだり、
腹を立てて、相手のことを責めたり、
相手のことを変えようとして説教をしたり
するとしたら、
それは相手に対して強く甘えているということ
ですよね(^^;
この甘え(=依存)のことを
「母子一体感」と言います。
この「母子一体感」は、
本来、幼児が母親に対して抱く「甘え」であり、
母親を「自分とは別の人間」として認識できていない
心理状態でもあります。
つまり、母子一体感とは、
「お母さんは僕(私)の欲求を
満たしてくれて当たり前」
「お母さんは僕(私)の気持ちを
わかってくれて当たり前」
「お母さんは僕(私)の期待に
応えてくれて当たり前」
という、
子どもに特有の依存心(甘え)のことなのです。
そして子どもは、成長していくにつれて、
「母親が常に僕(私)の期待に応えてくれる
わけではない」
ということを受け容れるようになり、
やがて、健全な「離別感」を持つようになります。
「離別感」とは、
「相手には相手の事情がある。
相手は私の思いどおりになる存在ではない」
という「大人の心理」です。
しかし、実際のところ、
大人になっても
「母子一体感」を手放すことができない人は
かなり多いと思われます(^^;
「母子一体感」を手放すことができない人は、
家族だとか身近な人が、
期待どおりの反応をしてくれないと、
不機嫌になって黙り込んだり、
腹を立てて、相手のことを責めたり、
相手のことを変えようとして説教や非難をしたり
してしまうわけです(^^;
具体的な例を挙げてみましょう。
仕事から帰ってきた夫が、
「あ〜、今日は暑かった。ビールが飲みたい」
と言って冷蔵庫を開けます。
ところが、
冷蔵庫の中にはビールがない。
夫は不機嫌になって、妻に問いかけます。
夫「おい、ビールはどこにあるんだ?」
妻「冷蔵庫の中に見当たらないのなら、
ないんじゃない?」
夫「おい、なんだよ、それ!
こんなに暑い日にビールを切らしてるって、
どういうことだよ」
妻「あら、私はビールを飲まないから、
ビールが切れてるかどうかまで把握してないわ」
夫「おまえなぁ、俺が仕事で疲れてるっていうのに、
ビールも用意してないなんて、気が利かないぞ。
専業主婦なんだから、家のことはもっとちゃんとやれよ」
妻「私なりに家のことはいろいろとやっているわ。
専業主婦だって、やることはいろいろあるのよ。
それに私は趣味や友達づきあいも大切にしたいから、
あなたの欲求を完璧に満たす役なんて
とてもじゃないけど、引き受けられないわ。
あなたにとってビールがそんなに大事なら、
自分でちゃんとチェックして、会社帰りに買ってくれば
いいんじゃない?」
夫「なんだと!
俺が仕事でどれだけストレスをためてるか
わかってんのか!(怒)」
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