2005年02月

2005年02月27日

「6色ハット法」を会議やコーチングに応用するとどうなる?

24日の記事以降は、ファシリテーションについてのお話をしています。

今日は、ある企業の役員会議の一場面から始まります。

会議の「目的とゴール」「進行の流れ」「ルール」を確認した後、ファシ
リテーター(F)が次のように進めていきました。

F「それでは皆さん、まずは黄色帽子(ハット)をかぶって下さい。今回
  の新商品開発プロジェクトについて、プラス思考で肯定的な意見をド
  ンドン出してください。」

(参加者から肯定的な意見がいろいろ出る)

F「皆さん、次は黒い帽子にかぶり替えて下さい。リスクや懸念や反対意
  見をドンドン出してください。」

(参加者から否定的・批判的な意見がいろいろ出る)
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2005年02月25日

「対立」から「解決策」を創造するファシリテーション(2)


意見が対立した時に、勝つか負けるかではなくて、双方が満足できる結論
を探す方法がある(=ウィン・ウィン)ことを、昨日紹介しましたね。


今日は、ウィン・ウィンの結論を出すためのプロセスを考えてみましょう。
ある新婚夫婦の会話の例で考えてみます。

休日の前日に、1台の自家用車をめぐって対立が生じています。

夫「明日は、僕は課長(上司)の新居に行くんだ。課長は家を建てたばか
  りで、課のメンバーが全員招待されてるんだ。だから車を使うよ。」

妻「ちょっと待ってよ。私はデパートに行く予定なの。だから車は私が使
  いたいの。」

夫「デパートなら電車でも行けるだろう。僕はお祝いに観葉植物を持って
  行くから車がいいんだ。」

妻「私はいろいろ買い物する予定だから、帰りは荷物でいっぱいになるわ。
  それ持って電車やバスにのるのはイヤよ。」

さて、ここからウィン・ウィンに持っていくためには、どうすればいいで
しょうか?
あなただったら、どうしますか?続きを読む

2005年02月24日

意見の対立から創造的な解決策を生み出すファシリテーション


両親と11歳の男の子、9歳の女の子の4人家族がいます。

今年の夏休みを楽しむために、今のうちに別荘を買おうということになり
ました。

そして、家族の間に意見の対立が起きました。

父と息子は山を歩くのが好きで、母と娘は海で泳ぐのが好きなのです。
別荘の場所を山にしたい父・息子組と海の近くにしたい母・娘組が対立を
始めたのです。

父・息子組は「なぜ山が楽しいのか」を語り、母・娘組は「海の素晴らし
さ」をアピールしました。続きを読む

2005年02月23日

質問のスキルを効果的に使うための「3つのポイント」とは?


質問のスキルについて、ここのところ連日でお伝えしていますが、今日は
質問のスキルを使う時のポイントを3点にしぼってお伝えします。

質問を効果的に機能させるための重要な3つのポイントです。

1点目は、
「質問のスキルは、聴くこととセットで使って大きな効果を生む」
ということです。

質問を投げかけた後は、相手から返ってくる答えに耳を傾け、まずは「相
手の言いたいことの真意を理解しよう」というスタンスで聴くのです。

もしも、相手が答えているのをさえぎって、途中でこちらからアドバイス
や提案をしてしまうと、どうでしょうか?
相手としては、「自分が言いたいことは、そういうことではなかったのに
・・」とか「結局、最後までは聞いてくれないんだ」などの不満を抱いて
しまいかねません。

そうなると、質問に対して考える意欲を失い、あたりさわりのない模範解
答を答えて済ませてしまうようになってしまいます。

これでは、せっかくの質問が機能しません。

相手を誘導するために質問するのではなく、相手に考えてもらうために質
問を使い、その後は、相手を理解するために聴くことが大切なのです。続きを読む

2005年02月22日

顧客獲得の切り札!コーチング・セールスとは?


2月15日以降、記事の中で「効果的な質問」についてお伝えしてきました。

今日は、「オープン・クエスチョン(開いた質問)」「肯定質問」「未来
質問」の3つの質問を、セールスに応用するケースを考えてみましょう。

某外資系の生命保険会社のある支社で、「コーチングセールス(コーチン
グスキルを活かしたソリューション型提案営業)」の研修をした時に、そ
の研修に参加された支社長さん(以下、Aさん)が、研修後に興味深い話
をしてくれました。続きを読む

2005年02月21日

ブレイクスルーを起こすための基本とは?


昨日は、任せたプロジェクトを8割がた失敗してしまった部下へ、どんな
質問から投げかけていけばよいかを考えましたね。

その質問の一つとして、肯定質問をご紹介しました。

「2割はうまくいったんだな。どんなことがうまくいったの?」という質
問です。
この質問で、部下の脳は解決思考モードになりやすくなります。

さて、失敗を繰り返さないためにも、次は、8割の失敗についての情報も
聞き出して、解決策を考えてもらわねばなりません。
ここで、どんな質問を投げかけますか?続きを読む

2005年02月20日

相手から「創造性」と「解決策」を引き出す質問の技とは?


次のようなケースを想像してみてください。

あるプロジェクトを部下に任せたところ、結果として、そのプロジェクト
は8割がた失敗に終わりました。
落ち込んだ部下が、上司であるあなたのところに報告に来ました。

「申し訳ありません。任せていただいたプロジェクトは、8割がた失敗に
終わりました。」

さて、ここでその部下に、どんな質問を投げかけますか?続きを読む

2005年02月17日

クローズド・クエスチョンはこんな時にパワフルに役立つ!

昨日、「コーチングではオープン・クエスチョンが重視される場面が多い」
というお話をしました。

だからといって、クローズド・クエスチョンが重要でないということでは
ありません。

今日は、クローズド・クエスチョンの効果についてお話したいと思います。続きを読む

2005年02月16日

効果的な質問が人を育てる!質問力を高めるには?


昨日に引き続き「効果的な質問」について考えてみましょう。

まず、質問の種類として、「クローズド・クエスチョン(閉じた質問)」と
「オープン・クエスチョン(開いた質問)」があります。

クローズド・クエスチョンとは、「はい」や「いいえ」で答えられる質問
のことです。
たとえば、「この件については賛成かな?」とか「君は中途入社だったか
な?」といったものです。

一方、オープン・クエスチョンとは、様々な答えがあリ得るような質問で、
答える人が自由に考えて答える質問です。
たとえば、「この件を君はどう考える?」とか「君は将来、何をやりたい
んだね?」とかといったものです。続きを読む

2005年02月15日

質問力は自己実現力!今こそ質問力を高めよう!


アインシュタインは次のように言いました。
「もし自分が死にそうな状況になって、助かる方法を考えるのに1時間あ
るとしたら、最初の55分は、適切な質問を探すのに費やすだろう」

20世紀最高の天才と言われた彼は、効果的な質問こそが、最良の答えを
生み出すことを知っていたのです。

私達は、生活の中で、無意識のうちに、自分で自分に問いを投げかけてい
ます。
その時、自分にどんな質問を投げかけるかによって、自分の行動パターン
や人生の結果が大きく左右されるのです。

「可能思考」で有名なロバート・シュラー氏は次のように言っています。続きを読む

2005年02月13日

目標や夢のビジュアリゼーション!その最良の方法とは?


私達コーチは、目標をビジュアライズ(映像化)してもらうための質問を
クライアントに投げかけます。

目標をありありと鮮明に映像化できるほどに、クライアントの情熱とやる
気は高まります。

また、目標をリアルにイメージできるようになれば、「目標達成のための
行動」も具体的に見えてきます。


例えば、夕飯の献立が決まっていない状態でスーパーに買い物に行っても、
ただウロウロするはめになってしまいます。

ところが、
「今日はカレーラーイスにしよう。シーフードをたっぷり入れて、辛さは
中辛にしよう。野菜もいろいろ入れて栄養満点なのがいいな。ラッキョウ
も付けたいな。」とイメージが鮮明になってくれば、何を買えばいいか、
わかってきます。
そうなると、スーパーの中をテキパキと移動しながら、買い物をすること
ができます。続きを読む

2005年02月12日

今ここに生きるための質問


昨日は、自分の価値観を探るための質問を紹介しました。

最後に紹介したのは次の質問でした。

「もしもあなたの人生が、残り3日間しかなかったら、
この3日間何をしますか?」

考えてみましたか?

人は、命が残り3日間しかなかったら、
自分にとって最も大切なことに時間を使おうとします。

まだ考えてない人は、続きを読む前に考えてみて下さい。
続きを読む

2005年02月11日

自分の価値観を知る方法とは?


目標を設定する時に大切なこと。
それは、目的の目的を問うていき、真の目的(最上位の目的)を確認した上
で、その目的のための手段として目標を設定することでした。
(詳しくは、家庭の危機とビジネスの関係を参照下さい)

今日は、もう一つ、目標設定する上で非常に大切なことをお伝えします。

それは、「自分の価値観に基づいた目標」を設定することです。続きを読む

2005年02月10日

家庭の危機とビジネスの関係〜感動の実話を公開!(4)


昨日からの続きです。

Aさんのすばらしいお話には、続きがあるのです。

Aさんは、社員に対する接し方も大変反省され、改善の努力をされました。
ご自分も経営幹部の方達といっしょにコーチング研修に参加されました。

存在(Being)を承認するという話を私がした後に、
「野口さん、研修中で申し訳ありませんが、みんなに懺悔させてもらえま
 せんか。」とおっしゃるのです。続きを読む

2005年02月09日

家庭の危機とビジネスの関係〜感動の実話を公開!(3)

昨日からの続きです。

昨日は、コーチングの「チャンクアップ」というスキルの中から、「目的
の目的を問う」という重要なスキルを紹介しましたね。
BeingとDoingについても詳しくお話しました。

今日はストーリーが大きく展開します。


まず、考えてみてください。

人それぞれに価値観も違えば目標も違います。
しかし、すべての人が共通して目指していることがあります。

それは何でしょう?続きを読む

2005年02月08日

家庭の危機とビジネスの関係〜感動の実話を公開!(2)

昨日からの続きです。
今日は「目的の目的を問う」というコーチングの重要なスキルもご紹介し
ます。

まず最初に、一つの笑い話を紹介します。

バスに乗ったことがないおばあさんが、初めてバスに乗りました。
おばあさんは、次の停留所で降りたい場合、その停留所に着く直前にブザ
ーを押せばいいんだなということに気づきました。
すると、ブーッとブザーが鳴って、運転手さんが停めてくれるわけです。

そして、いよいよおばあさんが降りたい停留所が近づいてきました。
おばあさんは立ち上がって、降り口に近づいて行きましたが、両手が荷物
でふさがっているため、ブザーのボタンを押せません。

そこで、おばあさんはどうしたでしょう?続きを読む

2005年02月07日

家庭の危機とビジネスの関係〜感動の実話を公開!(1)


以前、私のメルマガでもご紹介して、最も反響の大きかった話なのですが、
ご本人の了解も得たので、ブログでもご紹介します。

真の目標設定とは何か」を教えてくれる話でもあります。
また、私達が人と接するときの基本的スタンスを考え直すきっかけになる
話でもあります。
ぜひ、感動の結末まで読んでみてください。

1年以上前のことです。
初めてコーチング研修を実施していただいたクライアント企業の社長さん
と、食事をしていた時の話です。

その方は、40代半ばの方で、約10年前に起業された会社を、急成長といえ
るスピードで伸ばしてこられた方です。(業界では有名な方です)
ほんの少しだけストーリーを変えて、Aさんとして紹介します。

Aさんと食事している時に、次のようなご相談を受けたのです。続きを読む

2005年02月05日

企業が社員に最も求めている能力は?(採用時もっとも重視する能力)

今朝の日経新聞に「企業が採用で重視すること」という記事が載っていまし
た。

経団連が2,087社に対して「社員を採用選考する時に何を重視するのか」を
問うたアンケートなのですが、一番回答が多かったのは、ある能力でした。

昨年の調査結果同様、ダントツに一番です。
さて、何の能力だと思いますか?

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2005年02月03日

最近読んだ本を何冊か紹介します

今日は・・・最近読んだ本を何冊か紹介します。

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2005年02月02日

相手の心理的バリアーを取り除く「聞き方のスキル」とは(4)


今、東京から帰りの新幹線の中なのですが、今日は雪の関係で徐行運転さ
れていて、家に着くのが遅くなりそうです。
そんなわけで、新幹線の中から、この記事をアップしたいと思います。

昨日からの続きです。

ペーシングについてお話してきました。
ペーシングは相手との共通点を作ることで、相手に合わせ、相手に安心感
を与える方法でしたね。

このペーシングの逆をディスペーシングといいます。

相手が話している時に、相手の顔を見ずに、パソコンの画面やテレビや新
聞を見ながら話を聞くのもディス・ペーシング。
相手の話を無表情で聞くのもディス・ペーシング。
座って話す相手に対して、こちらが立って話を聞くのもディス・ペーシン
グ。
腕組み・足組をして、ふんぞり返って聞くのもディス・ペーシング。

このように、相手が話している時に、こちらがディス・ペーシングをする
と、相手は嫌な思いをして、話す気力を失います。

それから、私達がよくやるディス・ペーシングがあります。続きを読む

2005年02月01日

相手の心理的バリアーを取り除く「聞き方のスキル」とは?(3)

さて、一昨日からぺーシングの話をしていますが、今日は、その極意につ
いてお話します。

ぺーシングの例として、次のようなものがありましたね。

・こちらの表情を相手の気持ちに合わせる
・目線(目の高さ)を合わせる
・話すスピードを合わせる
・声のトーンや大きさを合わせる
・話題を合わせる
・相手に共感の言葉を返す
・服装を合わせる
・動作を合わせる
・姿勢や手足の位置を合わせる
・同じものを食べる

ぺーシングできるものは、他にもまだまだ挙げることができそうです。
しかし、一旦ここで、上に挙げたことを全部忘れてください!

なぜだと思いますか?続きを読む