2013年11月21日
打たれ弱い、根気のない心理状態を脱するには?
現代の子どもや若者の顕著な傾向として、
多くの心理学者が次の2点を挙げています。
・打たれ弱い
・根気がない
(ものごとをやり遂げるまで継続することができない)
現代において、この2つの傾向は、
子どもや若者だけに限らず、
三十代から四十代くらいの人にも多くみられる傾向では
ないでしょうか。
ちなみに私も、三十代後半くらいまでは、
非常に打たれ弱く、また、根気のない人間でした(^^;
では、私たちは
どのようにすれば打たれ強い人間になれるのでしょうか?
どのように根気を養っていけばいいのでしょうか?
この問いに対する私なりの答えは、
私の著書『「これでいい」と心から思える生き方』の中で
述べたのですが、
このブログ記事では、
著書の中に書き切れなかったことも含めて、
補足的なお話もしたいと思います。

「これでいい」と心から思える生き方
まず、今の若者の現状を見てみましょう。
厚生労働省の統計によると、今や、
大学を卒業して会社に就職した若者のうち三分の一が、
三年以内に会社を辞めています。
厳しい就職戦線を勝ち抜いて入社した会社を
三年以内に去っていく若者が、
三分の一(人数にして十数万人)もいるのです。
もちろん、中には、
やむを得ない事情で辞める人もいるでしょうし、
また、
起業・独立や、希望する転職先からの引き抜きなど、
とても前向きな形で辞める人もいると思いますが、
三分の一(十数万人)という数の多さは、
若者の「打たれ弱さ」や「根気のなさ」を表していると
言ってもいいのではないかと思います。
また、私はこの十年あまり、
経営者の方のコーチングを通して、
多くの経営者のお話をうかがってきましたが、
実に多くの経営者が
若い社員の「打たれ弱さ」や「根気のなさ」を
強く実感しておられます。
この「打たれ弱さ」や「根気のなさ」は、
どこから来ているのでしょうか?
これについて考えるうえで、
今の若者に増えている「青い鳥症候群」に
注目してみましょう。
「青い鳥症候群」とは、
「自分が心から満足できる職場が他にあるはず」
「自分の能力や才能を最大限に発揮できる仕事が
他にあるはず」と、
理想の仕事を求めて転職をくり返す人の心理状態を
言います。
メーテルリンクの童話『青い鳥』の中に出てくる
チルチルとミチルが、
自宅で飼っている鳥には目もくれず、
幸福の青い鳥を外に探し求め、追い続けたように、
「青い鳥症候群」の人は、
今やっている仕事に対しては、
「これは自分が本気で取り組むほどの仕事ではない」
「自分はこんな仕事をするために就職したのではない」
などと考え、
まだ出会っていない仕事の中に、
見果てぬ理想を追い続けます。
ここで、この「青い鳥症候群」に関連して、
「永遠の少年」のことにも触れておきたいと思います。
心理学者のユング博士は、
集合的無意識(すべての人が共有する無意識層)の中に
いくつかの基本的なパターン(型)があることを認め、
それを「元型」と呼びましたが、
その元型の一つに「永遠の少年」というものがあります。
そして現代は、
この「永遠の少年」元型に支配されてしまっている人が
非常に増えているのです。
「永遠の少年」元型に支配されてしまっている人の特徴は、
幼児的な万能感を手放すことができず、
誇大妄想的な自己イメージにしがみついているということです。
私たちは皆、子ども時代には、
「自分は万能である」という幻想を持っています。
これを心理学では、
「万能感(あるいは全能感)」と呼びます。
そして人は、
その後の成長・発達のプロセスにおいて
挫折や失敗をくり返すことによって、
等身大の自分と直面してその自分を受容し、
万能感(全能感)を手放して、
心理的・人格的に成長・成熟していきます。
しかし、「永遠の少年」元型に支配されてしまっている人は、
この成長・成熟のプロセスを拒否して、
万能感や誇大自己イメージにしがみつくのです。
たとえば、
「自分は特別な才能を持っており、
自分の取り組む分野で決定的に重要な仕事を成し遂げる」
「自分は平凡なまま終わるような人間ではない。
いつの日か社会に大きな影響を与えるような仕事をする」
といった誇大的な自己イメージにしがみつくため、
目の前の地道な仕事にコツコツと取り組むことができません。
どんな職業についても、
「これは本当の自分に合った仕事ではない」
「これは自分の本来の才能を発揮できる仕事ではない」
と感じるため、
目の前の仕事に本気で取り組もうとしないのです。
そして、
見果てぬ理想を求めて「青い鳥症候群」になるケースも、
多く見られます。
「青い鳥症候群」の根底にあるのは、
「永遠の少年」元型なのです。
また、「永遠の少年」元型に支配されている人は、
「自分はまだ本来の人生を生きていない」と考え、
今の自分を「仮の姿」であると捉える傾向もあります。
そのような捉え方をすることで、
現実の自分に直面することから目を逸らし、
誇大自己イメージを維持しようとするのです。
こうして万能感を保っているのです。
また、「永遠の少年」元型に支配されている人は、
「面倒くさいことは一切やりたくない」とか、
「地道な努力はパスして、すごい結果を手に入れたい」
などの考えに見られる、
少年・少女に特有の幼児性が強く残っています。
また、
「わずかの労力ですごい結果を出せる」といったような
スーパーノウハウ(マジカルな手法)を非常に好む反面、
トレーニングをコツコツと積み重ねていくようなものは
避けようとしがちです。
そして、潔癖性が強く、
「自分のダメな部分は見たくない」
「人間のきれいな部分以外は見たくない」
「社会の矛盾や不条理に触れたくない」
という考えを持つ傾向があるため、
現実に直面することを避けるようになりがちなのです。
現実の自分には、
ダメなところや弱いところもいろいろありますし、
また、社会の現実は、
矛盾や不条理に満ちていますからね。
以上、「永遠の少年」について、
まるで他人ごとのように書きましたが、
三十代後半までの私は、
まさに「永遠の少年」そのものでした(^^;
私はそのことを自覚したとき、
大きなショックを受けて落ち込みましたが、
それではじめて、
現実の自分の未熟さや幼児性や弱さに直面することができ、
そのおかげで、
万能感や誇大自己イメージを手放すことができ、
地に足をつけることができました(^^
自分の未熟さや幼児性や弱さに直面できたことは、
今となっては、
自分が心理的に大人になるために必要な通過儀礼だったと
思います。
さて、話を戻しますが・・・
ここまで書いてきたように、
人は、心理的に大人になる過程で、
現実の等身大の自分に直面して、
万能感や誇大自己イメージを手放す必要があります。
そのことによって
自己受容が深まるとともに、
地に足をつけて生きることができるようになります。
自分の未熟さや弱さも含めて
ありのままの自分を受容したときに、
自分という大地に根を張ることができるのです。
逆に、現実の自分に直面することを避け、
誇大自己イメージや幼児的な万能感にしがみついて
生きようとするなら、
永遠に少年・少女の心理にとどまってしまうことに
なります。
(ちなみに、この心理状態をダン・カイリーは
「ピーターパン・シンドローム」と呼んでいます)
そしてそれこそが、
「打たれ弱さ」や「根気のなさ」の根本原因になって
いるのです。
ところで、
この「永遠の少年」の心理の背後には、
「そのままの自分では、見捨てられる」
「すごい自分じゃないと、受け入れてもらえない」
「賞賛されるような自分じゃないと、愛されない」
という怖れ(=見捨てられ不安)があるケースが
珍しくありません。
この怖れのため、
「すごい結果を出さないと、自分には価値がない」
という考えに支配され、
その結果、「平凡恐怖」になったりします。
「平凡恐怖」とは、
平凡であることを無価値であると考え、
自分の中の平凡さに直面することを怖れ、
「すごい(非凡な)結果を出さねばならない」
「すごい人間であると認められねばならない」
と、駆り立てられている状態のことを言います。
大切なのは、
すごくないときの自分も、
賞賛されるような結果を出せないときの自分も、
縁の下の力持ちをやっているときの自分も、
どんな自分をも、そのまま受容すること。
この自己受容の訓練によって、
上記の怖れは和らぎ、
同時に万能感を手放すことができます。
そして、
どんな自分でも受け入れられるようになるということは、
人から批判されるような自分も、
未熟で不完全な自分も、
すぐに結果を出せずに、地道にコツコツ行動する自分も、
受け入れられるようになるということであり、
その結果、当然、打たれ強くもなるし、
根気も育ってくるのです。
ところで、
「万能感を手放す」というのは、
「自分には能力がない」と考えるということでは、
もちろんありません。
「万能感を手放す」というのは、
「自分に対する、浮(うわ)ついた万能幻想を手放す」
ということです。
「誇大的な自己イメージにしがみつくのをやめる」
ということです。
そして、その上で、
等身大の自分の「能力」や「持ち味」や「強み」を見出し、
そこに確かな自信を持ち、
それらをベースにして、
人生を切り開いていけばいいのです。
「有能感」という言葉があります。
「自分の能力に対する、実感にもとづく自信」のことです。
これは、
「努力することで、できなかったことをできるようになった」
だとか、
そのような達成体験や成功体験の積み重ねによって、
あるいは、自分自身の成長によって、
着実に培われるものです。
私たちは、
目の前の現実的な課題に
コツコツと取り組むことによって、
達成体験や成功体験を積み重ね、
その結果、
等身大の自分に根ざした「有能感」を
培うことができるのです。
「万能感」は、
現実の自分ではなく、幻想としての自分に
しがみつくものだけに、
非常に不安定で、脆(もろ)いのですが、
「有能感」は、
現実の等身大の自分に根ざしているだけに、
安定していて、盤石(ばんじゃく)です。
浮ついた「万能感」から、
地に足のついた「有能感」へ。
この「有能感」が
人間的に成長・成熟していくうえでの
カギを握るのです。
この「有能感」という盤石の土台の上に、
夢を描き、
理想を掲げ、
自分という人間を磨き、
才能を開花させて、
ワクワクする人生を生きたいものですね(^^
以上、この記事では、
拙著『「これでいい」と心から思える生き方』の内容に
からめて、
補足的な話をさせていただきました。
より詳しくお知りになりたい方は、
ぜひ拙著をお読みください^^
最後はしっかり宣伝をさせていただきました(^^;
<読者さんの声>
拙著『「これでいい」と心から思える生き方』を
読んでくださった読者さんから、
ご感想が続々と届いています。
その中から三名の方のご感想を
少し編集して(ダイジェストで)ご紹介します。
「私は劣等感が強く、自分に自信が持てませんでした。
だけどそれは親の育て方が悪かったのだから仕方がないと、
親のせいにしていました。
しかしこの本を読んで、自分を自分で育て直すことができる
とわかり、うれしくなりました。
これからは自分で自分の育て直しをします」
「自分のやりたいことや好きなことが見つからず、
自分の将来にワクワクするという感覚がわからなかったのですが、
その理由を教えていただき腑に落ちました。
まず私の中の「イヤ」を大切にする必要があったのですね。
やってみます。ありがとうございます」
「まずこの本を読んで思ったことは『もっと早く知りたかった』です。
今、思春期の子どもが二人おり、子育てで悩んでいます。
この本に書いてあることを、子どもたちが小さいころに知っておけば、
育て方がずいぶん違っただろうと思いました。
ですが、本の最後のほうを読んでいるうちに、
『今知ったことにこそ意味がある。このタイミングでいいんだ』と
思えてきました。
そして再び読み直して、今からできることがたくさんあることに
きづきました」

「これでいい」と心から思える生き方
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あとで解除も自由にできます。
大学を卒業して会社に就職した若者のうち三分の一が、
三年以内に会社を辞めています。
厳しい就職戦線を勝ち抜いて入社した会社を
三年以内に去っていく若者が、
三分の一(人数にして十数万人)もいるのです。
もちろん、中には、
やむを得ない事情で辞める人もいるでしょうし、
また、
起業・独立や、希望する転職先からの引き抜きなど、
とても前向きな形で辞める人もいると思いますが、
三分の一(十数万人)という数の多さは、
若者の「打たれ弱さ」や「根気のなさ」を表していると
言ってもいいのではないかと思います。
また、私はこの十年あまり、
経営者の方のコーチングを通して、
多くの経営者のお話をうかがってきましたが、
実に多くの経営者が
若い社員の「打たれ弱さ」や「根気のなさ」を
強く実感しておられます。
この「打たれ弱さ」や「根気のなさ」は、
どこから来ているのでしょうか?
これについて考えるうえで、
今の若者に増えている「青い鳥症候群」に
注目してみましょう。
「青い鳥症候群」とは、
「自分が心から満足できる職場が他にあるはず」
「自分の能力や才能を最大限に発揮できる仕事が
他にあるはず」と、
理想の仕事を求めて転職をくり返す人の心理状態を
言います。
メーテルリンクの童話『青い鳥』の中に出てくる
チルチルとミチルが、
自宅で飼っている鳥には目もくれず、
幸福の青い鳥を外に探し求め、追い続けたように、
「青い鳥症候群」の人は、
今やっている仕事に対しては、
「これは自分が本気で取り組むほどの仕事ではない」
「自分はこんな仕事をするために就職したのではない」
などと考え、
まだ出会っていない仕事の中に、
見果てぬ理想を追い続けます。
ここで、この「青い鳥症候群」に関連して、
「永遠の少年」のことにも触れておきたいと思います。
心理学者のユング博士は、
集合的無意識(すべての人が共有する無意識層)の中に
いくつかの基本的なパターン(型)があることを認め、
それを「元型」と呼びましたが、
その元型の一つに「永遠の少年」というものがあります。
そして現代は、
この「永遠の少年」元型に支配されてしまっている人が
非常に増えているのです。
「永遠の少年」元型に支配されてしまっている人の特徴は、
幼児的な万能感を手放すことができず、
誇大妄想的な自己イメージにしがみついているということです。
私たちは皆、子ども時代には、
「自分は万能である」という幻想を持っています。
これを心理学では、
「万能感(あるいは全能感)」と呼びます。
そして人は、
その後の成長・発達のプロセスにおいて
挫折や失敗をくり返すことによって、
等身大の自分と直面してその自分を受容し、
万能感(全能感)を手放して、
心理的・人格的に成長・成熟していきます。
しかし、「永遠の少年」元型に支配されてしまっている人は、
この成長・成熟のプロセスを拒否して、
万能感や誇大自己イメージにしがみつくのです。
たとえば、
「自分は特別な才能を持っており、
自分の取り組む分野で決定的に重要な仕事を成し遂げる」
「自分は平凡なまま終わるような人間ではない。
いつの日か社会に大きな影響を与えるような仕事をする」
といった誇大的な自己イメージにしがみつくため、
目の前の地道な仕事にコツコツと取り組むことができません。
どんな職業についても、
「これは本当の自分に合った仕事ではない」
「これは自分の本来の才能を発揮できる仕事ではない」
と感じるため、
目の前の仕事に本気で取り組もうとしないのです。
そして、
見果てぬ理想を求めて「青い鳥症候群」になるケースも、
多く見られます。
「青い鳥症候群」の根底にあるのは、
「永遠の少年」元型なのです。
また、「永遠の少年」元型に支配されている人は、
「自分はまだ本来の人生を生きていない」と考え、
今の自分を「仮の姿」であると捉える傾向もあります。
そのような捉え方をすることで、
現実の自分に直面することから目を逸らし、
誇大自己イメージを維持しようとするのです。
こうして万能感を保っているのです。
また、「永遠の少年」元型に支配されている人は、
「面倒くさいことは一切やりたくない」とか、
「地道な努力はパスして、すごい結果を手に入れたい」
などの考えに見られる、
少年・少女に特有の幼児性が強く残っています。
また、
「わずかの労力ですごい結果を出せる」といったような
スーパーノウハウ(マジカルな手法)を非常に好む反面、
トレーニングをコツコツと積み重ねていくようなものは
避けようとしがちです。
そして、潔癖性が強く、
「自分のダメな部分は見たくない」
「人間のきれいな部分以外は見たくない」
「社会の矛盾や不条理に触れたくない」
という考えを持つ傾向があるため、
現実に直面することを避けるようになりがちなのです。
現実の自分には、
ダメなところや弱いところもいろいろありますし、
また、社会の現実は、
矛盾や不条理に満ちていますからね。
以上、「永遠の少年」について、
まるで他人ごとのように書きましたが、
三十代後半までの私は、
まさに「永遠の少年」そのものでした(^^;
私はそのことを自覚したとき、
大きなショックを受けて落ち込みましたが、
それではじめて、
現実の自分の未熟さや幼児性や弱さに直面することができ、
そのおかげで、
万能感や誇大自己イメージを手放すことができ、
地に足をつけることができました(^^
自分の未熟さや幼児性や弱さに直面できたことは、
今となっては、
自分が心理的に大人になるために必要な通過儀礼だったと
思います。
さて、話を戻しますが・・・
ここまで書いてきたように、
人は、心理的に大人になる過程で、
現実の等身大の自分に直面して、
万能感や誇大自己イメージを手放す必要があります。
そのことによって
自己受容が深まるとともに、
地に足をつけて生きることができるようになります。
自分の未熟さや弱さも含めて
ありのままの自分を受容したときに、
自分という大地に根を張ることができるのです。
逆に、現実の自分に直面することを避け、
誇大自己イメージや幼児的な万能感にしがみついて
生きようとするなら、
永遠に少年・少女の心理にとどまってしまうことに
なります。
(ちなみに、この心理状態をダン・カイリーは
「ピーターパン・シンドローム」と呼んでいます)
そしてそれこそが、
「打たれ弱さ」や「根気のなさ」の根本原因になって
いるのです。
ところで、
この「永遠の少年」の心理の背後には、
「そのままの自分では、見捨てられる」
「すごい自分じゃないと、受け入れてもらえない」
「賞賛されるような自分じゃないと、愛されない」
という怖れ(=見捨てられ不安)があるケースが
珍しくありません。
この怖れのため、
「すごい結果を出さないと、自分には価値がない」
という考えに支配され、
その結果、「平凡恐怖」になったりします。
「平凡恐怖」とは、
平凡であることを無価値であると考え、
自分の中の平凡さに直面することを怖れ、
「すごい(非凡な)結果を出さねばならない」
「すごい人間であると認められねばならない」
と、駆り立てられている状態のことを言います。
大切なのは、
すごくないときの自分も、
賞賛されるような結果を出せないときの自分も、
縁の下の力持ちをやっているときの自分も、
どんな自分をも、そのまま受容すること。
この自己受容の訓練によって、
上記の怖れは和らぎ、
同時に万能感を手放すことができます。
そして、
どんな自分でも受け入れられるようになるということは、
人から批判されるような自分も、
未熟で不完全な自分も、
すぐに結果を出せずに、地道にコツコツ行動する自分も、
受け入れられるようになるということであり、
その結果、当然、打たれ強くもなるし、
根気も育ってくるのです。
ところで、
「万能感を手放す」というのは、
「自分には能力がない」と考えるということでは、
もちろんありません。
「万能感を手放す」というのは、
「自分に対する、浮(うわ)ついた万能幻想を手放す」
ということです。
「誇大的な自己イメージにしがみつくのをやめる」
ということです。
そして、その上で、
等身大の自分の「能力」や「持ち味」や「強み」を見出し、
そこに確かな自信を持ち、
それらをベースにして、
人生を切り開いていけばいいのです。
「有能感」という言葉があります。
「自分の能力に対する、実感にもとづく自信」のことです。
これは、
「努力することで、できなかったことをできるようになった」
だとか、
そのような達成体験や成功体験の積み重ねによって、
あるいは、自分自身の成長によって、
着実に培われるものです。
私たちは、
目の前の現実的な課題に
コツコツと取り組むことによって、
達成体験や成功体験を積み重ね、
その結果、
等身大の自分に根ざした「有能感」を
培うことができるのです。
「万能感」は、
現実の自分ではなく、幻想としての自分に
しがみつくものだけに、
非常に不安定で、脆(もろ)いのですが、
「有能感」は、
現実の等身大の自分に根ざしているだけに、
安定していて、盤石(ばんじゃく)です。
浮ついた「万能感」から、
地に足のついた「有能感」へ。
この「有能感」が
人間的に成長・成熟していくうえでの
カギを握るのです。
この「有能感」という盤石の土台の上に、
夢を描き、
理想を掲げ、
自分という人間を磨き、
才能を開花させて、
ワクワクする人生を生きたいものですね(^^
以上、この記事では、
拙著『「これでいい」と心から思える生き方』の内容に
からめて、
補足的な話をさせていただきました。
より詳しくお知りになりたい方は、
ぜひ拙著をお読みください^^
最後はしっかり宣伝をさせていただきました(^^;
<読者さんの声>
拙著『「これでいい」と心から思える生き方』を
読んでくださった読者さんから、
ご感想が続々と届いています。
その中から三名の方のご感想を
少し編集して(ダイジェストで)ご紹介します。
「私は劣等感が強く、自分に自信が持てませんでした。
だけどそれは親の育て方が悪かったのだから仕方がないと、
親のせいにしていました。
しかしこの本を読んで、自分を自分で育て直すことができる
とわかり、うれしくなりました。
これからは自分で自分の育て直しをします」
「自分のやりたいことや好きなことが見つからず、
自分の将来にワクワクするという感覚がわからなかったのですが、
その理由を教えていただき腑に落ちました。
まず私の中の「イヤ」を大切にする必要があったのですね。
やってみます。ありがとうございます」
「まずこの本を読んで思ったことは『もっと早く知りたかった』です。
今、思春期の子どもが二人おり、子育てで悩んでいます。
この本に書いてあることを、子どもたちが小さいころに知っておけば、
育て方がずいぶん違っただろうと思いました。
ですが、本の最後のほうを読んでいるうちに、
『今知ったことにこそ意味がある。このタイミングでいいんだ』と
思えてきました。
そして再び読み直して、今からできることがたくさんあることに
きづきました」

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