2005年02月23日

質問のスキルを効果的に使うための「3つのポイント」とは?


質問のスキルについて、ここのところ連日でお伝えしていますが、今日は
質問のスキルを使う時のポイントを3点にしぼってお伝えします。

質問を効果的に機能させるための重要な3つのポイントです。

1点目は、
「質問のスキルは、聴くこととセットで使って大きな効果を生む」
ということです。

質問を投げかけた後は、相手から返ってくる答えに耳を傾け、まずは「相
手の言いたいことの真意を理解しよう」というスタンスで聴くのです。

もしも、相手が答えているのをさえぎって、途中でこちらからアドバイス
や提案をしてしまうと、どうでしょうか?
相手としては、「自分が言いたいことは、そういうことではなかったのに
・・」とか「結局、最後までは聞いてくれないんだ」などの不満を抱いて
しまいかねません。

そうなると、質問に対して考える意欲を失い、あたりさわりのない模範解
答を答えて済ませてしまうようになってしまいます。

これでは、せっかくの質問が機能しません。

相手を誘導するために質問するのではなく、相手に考えてもらうために質
問を使い、その後は、相手を理解するために聴くことが大切なのです。

2点目に「沈黙」についてお伝えします。

相手に考えてもらう時に大切なのは、沈黙の時間です。

例えばオープン・クエスチョンを投げかけると、相手が考え込んで沈黙す
ることがよくあります。
沈黙しているということは、深いところで答えを探ってくれている可能性
が高いのです。

そんな時は、こっちも沈黙して待ってあげることが大切です。
沈黙に耐えられない人は、すぐに、「今の質問は難しかったかな?じゃあ、
質問を変えよう」などと、せっかく深いところで考えてくれている相手の
思考を、表面的なことに向け直すような質問に切り替えてしまいます。

これでは、オープン・クエスチョンも役に立ちません。

セールスの場面でもいっしょです。
昨日紹介したAさんのケースでも、「保険に入られてる一番の目的は?」
と質問した後は、「ゆっくり考えてくださいね。答えが出るまで私も待っ
ていますから」と一声かけて待つそうです。

考えてもらうためには、じっくり考えることができるスペースが必要です。
そのスペースを作るために、沈黙して待つわけです。


3点目のポイントは、「なぜ(why)を使った質問に要注意」ということ
です。

例えば、「なぜそうしたんだ?」「どうしてやらなかったの?」などの質
問は、オ−プン・クエスチョンではありますが、質問された相手としては、
自分自身が責められているように感じてしまうことがあります。

そうなると防御体制に入って、とても前向きに考えることができません。

実際、「なぜ(why)」という疑問詞は、相手を責めるときによく使われま
す。

そこで、「なぜ(why)」で始まる疑問文を、「何(what)」を使った疑問
文に替えることを試してみてください。

「何が君にそうさせたんだ?」
「やらなかった理由は何なの?」

このように質問されると、相手としては、自分への個人的な攻撃ではなく、
客観的に理由を聞かれた感じがするので、安心して考えることができるの
です。


以上、質問のスキルを使う時の3つのポイントでした。

このポイントを意識しながら、ぜひ実践を重ねていってみてください。
おたがい「質問の達人」を目指しましょう!



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この記事へのトラックバック

1. おすすめBlog.(2)  [ Lepidus. ]   2005年02月24日 19:12
「プロコーチ野口嘉則のコーチング実践研究室」 最近よくおじゃましているコーチングのBlog。 これを読むまでコーチングなんて名前を聞いたことがあるぐらいで 中身はまったく知らなかったのだけど、かなり興味が出てきました。 先日ご紹介したBlogもそうですが、

この記事へのコメント

1. Posted by lepidus.   2005年02月24日 20:35
はじめまして。
いつも拝見させていただいております。

こちらのページを知ったのは非常に偶然だったのですが、
大変わかりやすくたくさんの気づきを与えていただけるので
以来よくおじゃまさせていただいております。

私自身、こちらのページで得るものが非常に大きかったので、
大変個人的なブログではありますが勝手にご紹介させていただきました。
もし、不都合等がございましたらおっしゃってください。

事後報告となりましたことをお詫び申し上げますとともに
これからもすばらしい情報発信を楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします。
2. Posted by 野口嘉則   2005年02月24日 23:05
lepidus.さん
トラックバック&書き込み、ありがとうございます。
とても嬉しいです。
今後もお気軽に書き込んでくださいね。
3. Posted by 大島   2005年02月26日 06:42
島根で建材店を経営しています。毎日このブログを読み、自分の仕事に生かしています。家内の友人がコーチングをしていまして、最近からコーチングに興味を持っています。昨日からブログを始めたので、はじめてコメントさせて頂きました。これからも、毎日楽しみにしています。
4. Posted by 西木 裕司   2005年06月06日 13:20
僕は喋りなんで「沈黙」の大切さ痛感しました
5. Posted by 無限不動山   2006年10月08日 12:53
野口さん、こんにちは。

私の場合、2番目の「沈黙」に課題があるように感じました。

原因を探れば、1番目の「聴く」姿勢にあるのではないかと思いました。

「なぜ(why)」ではなく、「何(What)」が私をそうさせるのかで、
自問すると、長年の説得セールスの体験が、そうさせるように感じます。

「売る」のではなく、「理解」する商談にパラダイム・シフトを、
もっと強化しようと思います。

今日もありがとうございます。

6. Posted by み〜ぶ〜   2007年02月18日 21:17
野口さん、こんばんは。
記事は、一日に一つずつが、私には、ちょうどいいみたいです。
質問のスキルは、とっても勉強になりました。
起きている時間の半分は、質問しているような気がします。
相手が子どもだと、予想もつかない答えが返ってくるので、戸惑うこともたくさんあります。ケンカが始まると、特にですよね。
 質問+聴く=幸せ。
今後、勉強させていただくうちに、足し算がふえたり、かけ算になったり、
楽しみです!
野口さんのコーチングは、素晴らしい、素敵なお仕事ですね。
私も、いつか、野口さんのコーチングを受けてみたいです☆
今日もありがとうございました。
7. Posted by みぱ   2007年04月20日 22:10
聴くと沈黙の合わせ技で質問の効果を上げるのですね。
私にはそのペースを相手に委ねることが
できていなかったようです。

話のペースを相手に合わせるこができれば
相手の気持ちをもっと知ることができそうですね。

質問の達人になりたいです!
8. Posted by aoiumiaruku-v.v   2007年05月16日 15:15
         すごいです!
         この一週間、
 オープンクエスチョン・クローズドクエスチョン
       肯定質問・否定質問
未来質問(目的追求思考)・過去質問(原因追求思考)
       と学んできましたが、
   今日の記事で、私の中での平面的な理解が、
    立体的な理解になったように思います。

   (聴くこと)とセットで使って効果倍増!
   (沈黙)できる余裕が相手のココロをひらく!
   (なぜ)で押し込むと防御にまわられる!

 即、今日から実践します。ありがとうございます。
    
9. Posted by aoiumiaruku-v.v   2008年02月02日 00:28
半年前と同ように感心してしまいました。
出来てきたことと、忘れてしまっていたことがあります。
相手の答えに助け舟を出さず「黙って最後まで聴く」
これ、いまひとつでした。私はせっかちなんですね。
また、(沈黙の時間)を余裕をもって与えていなかったと思います。
yes-noで答えられる質問には即答するのに、
オープンクエスチョンをするととたんに黙り込んでしまうのを、
ちょっと苦々しく感じていたと反省しました。
私だって同じなんですよね。ほんとは。
@ 最後までゆったりと聴きます!
@ のんびり黙って待ちます!
10. Posted by あきたん   2008年03月26日 23:58
人材育成に携わっていたときにコーチングを勉強していましたので、以前から意識はしている内容でした。
・・・が、なぜか、苦もなくできるときと、どうしてもできないときがあります。

それが、相手のタイプによるのか、自分のその時の気持ちによるのか、それとも状況・・・?原因がまだわかっていません。
おっと、「なぜできないのか」ではなく「どうしたらできるか」を考えなくては!
11. Posted by マーガレット   2008年03月28日 17:46
野口さん、こんにちは。
「今」を共に過ごしているそれぞれの時間を最高のものにするためにもとっても大事なお話ですね。
昨日は、意識して子どもの話をさえぎらずに感情をグッとこらえて肯定的に受け止めて、顔を見ながらひたすら話を聴いてあげました。
私、よくがんばったと思います、でも、それ以上に子どもの方が、話したいくらいな想いをして帰ってきたんだなと思います。
話しをしている子どもがスーッと落ち着いていくのを感じました。あの感覚を忘れずにいたいです。そして、時間と場所を創り出すことも。
野口さんにいつも話しを聴いてもらって、質問をいただいて、スーッと心が落ち着きます。ほんとうにありがとうございます☆
私の質問力は。。これから磨いていきます。
12. Posted by リリィ♪   2011年02月23日 08:19
沈黙を大切に。
何故ではなく何を使う。
成程〜
質問の達人を目指して実践します。
ありがとうございます。
13. Posted by shige   2011年02月23日 09:20
3つのポイントのうち、1つ目と3つ目がとても印象に残りました。
「聴く」に関して、基本中の基本ですが絶対に忘れては駄目な部分ですよね。
前回までの質問方法の素晴らしさで、もう基本を忘れるところでした(笑)

そして、3つ目の「なぜ」
たしかに、責められている気がしますね。
この「なぜ」も無意識にでてしまっているので、これから気をつけたいと
思います。

今日もありがとうございます。
14. Posted by na7me7   2011年03月02日 06:20
3つのポイント
なるほど・・改めて大切なことを学んだ気がします。

「ゆっくり考えてくださいね。答えが出るまで私も待っていますから」
この一言は素晴らしいですね

私も、何故?って質問多かった気がします^^;
相手も自分も心地良い質問ができるような
「質問の達人」目指して、学んでいこうと思います。
15. Posted by アーナンダ   2012年01月16日 18:06
>>
、本を読むだけでは質問力は高まりませんので、読んだら即実践ですね!
<<
聴くこと
沈黙
(お待ちしますと一声)
何が?
(なぜ?は注意して)
ですね。

今日
主婦の方の雑談の中で
ある程度心がけて聴いてみたのですが、
驚くほど、
自分史(つらい経験)を
初対面の私に打ち明けて頂きました。

いつもありがとうございます。
16. Posted by hide   2012年02月17日 15:19
こんにちは。

沈黙については、私も耐えられずについ「質問を
変えて・・・」と助け舟を出してしまいます。

相手が深く考えている場合もありますよね。

とにかく今回教えていただいた事をこれから実践
して身につけていきたいです。

ありがとうございました。

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